「筋肉をつけるためにはタンパク質が欠かせない」ことは、筋トレをしていない人でも知っていることですよね。
ただ、筋トレの効果をより高めるには腸のことも考えなければなりません。実は“筋肉”と“腸”は超深い関係にあります。
腸は人間の臓器のなかで唯一“脳からの信号”を必要とせずに機能する“第二脳”とも呼ばれている重要な臓器です。
せっかくの筋トレを無駄にしたくなければ「腸が超重要」ってことを知るべきです。今回は腸と筋トレについてやさしく説明します。
目次
そもそも腸がどれだけ重要な臓器かわかってますか?

「腸がどういった働きをするか知ってる?」と聞かれたらアナタはどれくらい正確に答えられるでしょうか?
- ・食べ物を消化するところ
- ・便を作るところ
大体この二つくらいだと思います。
そもそも腸は、十二指腸・小腸・盲腸・大腸・直腸とあり、それぞれ長さも違います。そして消化・吸収・排泄機能だけではなく、腸は筋トレとも深く関係する重要な役割をもっているんです。
まずは、それを理解するために小腸と大腸、この二つの働きについてザックリ説明しましょう。
小腸の役目とは
小腸は、胃液で消化された食べ物をさらに消化します。さらに栄養分を体内に取り込み、血液に乗せて身体の隅々にまで送り届ける役目を持っています。
また、人にとって大切なビタミンを作り出し、筋肉の発達にも関係するインスリンの分泌をコントロールするホルモンまで作り出すのです。(※インスリンは膵臓から作られる)
大腸の役目とは
大腸では、小腸から送られてきた消化物から水分やミネラルを吸収します。その後、不要になった食べカスを24時間~72時間ほどかけてゆっくりと便にして排出させます。
ちなみに健康な体で便意を感じるのは、ここがいっぱいになると蠕動運動(ぜんどううんどう)という動きを大腸がするからなんですよ。
タンパク質を筋肉の材料に換えるのも腸
このように、体内での吸収で活躍しているのが小腸です。
筋肉を強く・太くするにはアミノ酸という物質が鍵となるわけですが、小腸はこのアミノ酸をタンパク質から生成し小腸壁から吸収させ体中の筋肉に送り届けます。
そして送り届けられたアミノ酸は、筋肉合成の材料(※参考)となり、トレーニングで出来た小さな傷を修復させるのに役立っています。
ちなみに、小腸には免疫細胞が集中している場所でもあり体外から侵入してきたウイルスや菌をブロックするための重要な役割まで果たすというスーパー臓器でもあるんですよ。
※参考:筋トレ後30分以内のプロテインは遅い!トレーニング前の食事も重要
「腸内環境が悪いヤツは成長も遅い」その意味とは?
すでにお気づきかもしれませんね。
筋肉を作るのはアミノ酸であって、アミノ酸を作るのはタンパク質、タンパク質をアミノ酸に代えるのは小腸であり、吸収させるのも小腸です。
つまり腸内環境が悪いと、このサイクルが機能しにくくなるのです。
ということは?
そう「腸内環境が悪いと、筋肉の成長も遅くなる」ということ。
筋トレを始めたばかりの人はあまりこの事実を知らないと思いますが、今人気のフィジーカー(※)やボディビルダーは当たり前のようにこの事実を知っています。そしてその証拠に食物繊維を多く含む食べ物を積極的に摂取したりもしています。
仕事にしても筋トレにしても、デキル人はロジックを重要視しますよね。「筋肉が何から作られているか?」ということだけでなく「どうすれば筋肉を太く・強くすることができるのか」「何が大切か」ということを常に考えてトレーニングを続けています。
腸内環境を良くするってどういうこと?どうすればできる?

腸内にある菌は、大きく分けて下の3つに分類されます。
- ・良い働きをする善玉菌
- ・悪い働きをする悪玉菌(一部は免疫に関係するため悪玉でも大切な菌)
- ・善玉菌と悪玉菌の中間にあり、状況に合わせてどちらにもなり得る日和見菌
そして一般的に、これらの菌の比率が「善玉2:悪玉1:日和見7」になっている時が、腸内環境の良い状態と言われています。細かい数字は、実際に腸の中にある菌をすべて調べることはできないので気にしすぎることはありません。
ただ、数字でみれば理解はできますが、「善玉菌を多くするって難しいのでは?」「どうやってその割合にするの?」と悩む人もいるでしょう。
でも実は、良い状態を保つのはそれほど難しくはないんです。腸内環境が整っている人は便の調子も良いことも多いですね。反対に便秘や軟便などに悩んでいる人は、腸内環境を改善しましょう。
腸内環境を良くする簡単な方法とは?

では、何をすれば良い腸内環境を保てるのかお話します。
まずは「腸の中にいる菌が喜ぶエサを与える」ことを意識しましょう。
具体的には、乳製品や食物繊維を含む食べ物を毎日摂取するだけです。これだけでさらに良くすることもできますし、もし今ちょっと状態が悪いという人も改善できる可能性があります。
私の場合は毎日ヨーグルトを最低100gは摂取するようにしています。多くて300gくらいでしょうか。ヨーグルトだけでなく、発酵食品の漬物・キムチ・納豆などの食品には善玉菌の乳酸菌がたくさん含まれているんですよ。これなら食事で手軽に摂取できますね。
ちなみに、最近TVなどでは商品が売れるように「生きて腸まで届く乳酸菌」なんてCMが流れていますが、もし死滅したとしても菌自体が腸の中にいる善玉菌のエサになるので、それほど気にする必要はありません。それよりも大事なことは、同じものを2週間は最低食べ続けて、自分にあっているかどうかを確認することです。
その食品を食べる前と後で便の状態や回数に変化があれば、それは自分の腸にあった菌を摂取できているということで、腸内環境が良い状態と言えます。
もしもヨーグルトを食べるのが面倒ならサプリでも大丈夫ですよ。最近は乳酸菌ブームもあり、大手メーカーから色々と商品が出ています。
そちらを同じ期間、2週間試してみて腸内環境の改善が感じられればサプリで補っても問題ないでしょう。ただし、食事もサプリも同じ菌を摂り続けると腸内にいる菌の反応が鈍くなっていくので、1ヶ月くらいで種類を変えることをオススメします。
まとめ
「筋トレと腸の深い関係」は理解してもらえたでしょうか?
筋肉だけでなく、健康的に生きていくために“腸”はかなり重要な臓器です。日々のトレーニングを少しでも効率よく筋肉に代えるには、タンパク質の摂取量だけではなく腸内環境のことも意識しておくようにしましょう!
