ストレスが溜まりやすい環境にいると、作業への集中力が下がったりイライラしやすくなったりします。
早く仕事を終わらせたい、もっと穏やかな気持ちでいたい。そんな人は直ぐに100円ショップで鏡を買ってきてください。実はデスクに鏡をおくだけで、自分を客観的に見ることができ、しかも仕事の効率化もできるのです。
嘘のようなホントの話。これはコールセンターやクレーム処理などの業務に携わる人たちも実践している小技なんですよ。
え?「ナルシストに見られそうで嫌」だって?
大丈夫。小さな手鏡サイズのものをモニターの横におくだけでいいわけですし、周りは貴方のデスクに鏡があることすら直ぐに気にしなくなります。
…それではいってみましょう!
目次
これが鏡をつかったメタ認知!自分を客観的にみてコントロールする
すぐに緊張する、不安感がいつもある、直ぐにイライラするのを直したい。
自分を上手にコントロールしたいなら、まずは自分を客観的にみられるようになりましょう。いわゆる「メタ認知」という方法ですね。

このように自分を冷静にみつめる“もう一人の自分”を意識して、自分の行動や感情を客観的にみることを「メタ認知」といい、客観的にみれる能力を「メタ認知能力」といいます。
たとえば30分後に大事な会議が迫っているとき、心臓がバクバクしたり急に不安になったりしますよね。
こういうときに「あ、いま心拍数が上がってるな…」「不安8割、期待2割ってところか?」「顔が赤くなってきたな…」と、自分の思考や行動を実況中継するつもりで客観的に把握・認知すると、不思議なことに落ち着いてきます。
鏡をつかうとメタ認知しやすくなる

メタ認知能力を身に着ける方法で「頭のなかに“もう一人の自分”がいるイメージを持つ」と言われることがあります。
でもこれって漠然としすぎていますし、そもそも怒りで沸騰しそうになっている時なんてそんな余裕なんてありませんよね?
ほかにも「腕に輪ゴムをつけておいて、いざ怒りを感じたときにパチンとする」なんて方法もありますが、それはそれで面倒ですし、会社でそんなことをしていると「ドMかな?」とあらぬ誤解をうけそうで私は実践できませんでした。
そこで鏡を使うわけです。
私はデスクのモニター辺りに小さな鏡をおき、集中力が途切れた時やイライラした時にチラっと見て“今の自分”を簡単にチェックできるようにしていますよ。
メタ認知はできるようになったほうが絶対にいい理由
メタ認知能力がついてくると自分をコントロールしたり、集中力が上がったり様々な効果が期待できます。
そして、メタ認知能力が高くなるにつれて「今の自分のスキルでは、依頼された仕事をさばききれない。コレとコレは●●さんに手伝ってもらおう」などと、自分自身を冷静に判断して、うまく自分をコントロールできるようになるのです。
鍛えれば身につく能力ですからやらない手はありません。しかもデスクに鏡を置くだけですから、三日坊主なんて関係なし。誰でもすぐに実践できます。
- 「上司が仕事を丸投げしてくる」
- 「朝、嫁とケンカした。思い出すだけでイライラする!」
- 「目の前のあいつ、大した仕事もしないで気楽でいいな」
- 「この客!何回同じ説明をしたら分かるんだよ!」
- 「あ~つまんない仕事だな。やる気でないわ~…」
このような経験、ありませんか?
いつも冷静にテキパキと仕事をし続けられる人なんていませんから、時には怠けたりイライラしているときもあるでしょう。そんなときデスクに置いた鏡をチラッとみて、いま自分がどんな気持ちで、どんな顔をしているのかをチェックしてみてください。
険しい顔をしているときは、話し方にも怒りがでてしまいます。人のイライラは意外と周りにも伝わってしまうので、「あの人は近づき辛い人」「仕事に私情を挟むなよ」などと人から思われ、余計にそれが自分をイライラさせることもあります。
無理に作り笑いをする必要はありませんが、気持ちを穏やかに維持できれば周りも自分も過ごしやすくなりますよ。
コールセンターでは机に鏡をおいている人も

参考までにコールセンター業務に携わる人の話をしましょう。
電話をかけてくる人の中には、相手の顔が見えない&相手が絶対に自分に反論しないことを分かっているからか、コールセンターをストレス発散の場にする人もいます。
商品に欠陥があったのなら当然それは企業のミスですから謝罪しなければなりませんが、執拗に攻めたてられると担当者は疲れてしまうのです。
何度も同じ説明を繰り返したり、理不尽なクレームに怒りを覚えたり…。それでも自分がイラッとして感情的になれば相手はさらにヒートアップします。
当然、コールセンターではお客様とのケンカはご法度。とくに今の時代、会社の悪評はSNSですぐに広まってしまいますから、昔より厳しくなっているのではないでしょうか?
そこでコールセンターで働く人は、色々と工夫しながらストレスと上手く付き合っています。鏡をみて自分を客観視するのもその一つ。
スマイルチェックできるのは勿論、冷静さを取り戻せたり心に余裕ができたりするので本当にオススメです。
メタ認知で「理想の自分」に近づける理由をスポーツに例えると…
誰にだって理想の自分の姿があるはずです。
「仕事をバリバリやっていたい」とか「カッコよくなりたい」とか「部下から相談される上司になりたい」とか色々あると思います。
鏡をデスク上におくと、髪が乱れている自分に気づいたり、集中力が切れてボーっとしている自分の顔が映ったりしますよね。こうして“今の自分”を確認すると、頭のなかで「このままではいけない」という想いが生まれ、仕事に集中しようと意識が向きます。つまり“理想の自分”に近づこうと脳や心が反応するわけです。
これはスポーツでも同じようなことが言えます。

たとえば陸上。
始めたばかりの頃はフォームもグチャグチャで様になっていません。それでも本人は誰かから指摘されない限り「綺麗に走れているはず!」と思い込み、筋トレや走り込みなど“ちょっとズレたトレーニング”を繰り返してしまいます。
周りは「今はフォームの改善をするべきだし、フォームを正せばもっとタイムを縮められるだろう」と分かっていても、本人は気づきにくいのです。もしかすると、本人に伝えたところで「俺のやり方は間違ってない」と耳を貸さないかもしれませんね。メタ認知能力が低い人ほど気づきにくくなります。
ならば走っている様子を録画してチェックしてみましょう。
本人としては“風を切って綺麗に走っている自分”だったつもりが、画面には“グチャグチャのフォームで走る自分”が映し出されています。つまり“ありのままの自分”を認知するわけですね。
そうして自分のフォームを客観的にみることによって、「どこを改善すればいいのか」「何のトレーニングが必要なのか」がクリアになり、やがて“理想のフォーム”を手に入れられるようになるのです。
メタ認知はどんな世界でも通用するスキルといえるでしょう。

もし貴方が“仕事をバリバリできる人間”になりたいなら、作業中に雑念が浮かんだり集中力が途切れてなかなか戻らなかったりしたとき鏡をチェックしてみてください。すると“自分はできる人間なんだ”と思いたい心理が働き、作業に集中しようと意識が切り替わります。
上司から怒鳴られ「こいつ…!」と怒りがわく時が多い人も、鏡をみることで「いけない。怒りに支配されそうだ」と気づき、怒りの火種が燃えあがるまえに鎮火できるようになるでしょう。
鏡を見て髪を整えたり、への字口になっている口角を上げたり、そういう行動は脳が“理想の自分”になろうとしている表れです。
さすがに頻繁に鏡を手にとって笑顔を作るなど、周りから「ナルシストだな(笑)」と言われるほどチェックするのは困りものですが、小さな鏡をモニター付近におき目線をズラせば見られるようにしておけば誰も気づきません。
100円ショップには手鏡サイズのものも沢山あるので、ぜひ今日の帰りにでも手に入れてみてはいかがでしょうか。
