「指示を出しても期限までに守らない」「上司である自分を尊敬しない」「反抗的な態度ばかりで実力が伴っていない」「少し怒っただけで凹むから、なかなか厳しく指導できない」など、部下との関係に悩んでいる上司は少なくありません。
ただ、上司としては自分の責任問題にもなりますし、会社のためを考えても部下には成長して欲しいところ。そしてできれば、自分を頼って欲しいし、尊敬して欲しいもの。
会社という狭い世界のなかで、人間関係がうまくいっているのとギクシャクするのとでは全く違います。
目次
部下にイライラする時ってこんな時じゃないですか?
イライラする、嫌いになるのはどんな時でしょうか。
- 1.仕事ができない、努力がみられない
- 2.自分を信頼していないように感じる
- 3.本人は自分が仕事のできる人間だと思い込んでいるが、実際は口ばかり
- 4.態度が悪い、向上心がない
いろいろ考えられますが、大体このような悩みが多いと思います。
本人の能力や経験に関するものは、上司のマネジメント次第でどうにでも伸ばしてあげられるので良いですが、それ以外は怒りがこみ上げてくることもしばしば。あまりにも酷くなると、部下の声を聞いただけでイライラする人もいます。嫌いだからといって、仕事なら邪険にもできませんよね。
部下について悩んでいる人は、下のようなことを気をつけてみてはいかがでしょうか。
部下にイライラする人は、能力以上のことを期待しているかも

部下にイライラしてしまうのは「やればできるのに、なぜやろうとしないんだ?」と、期待を裏切られてしまうからかもしれません。
たしかに部下には成長して欲しいですよね。でも、過度な期待をするのは自由ですが、それに応えられるかどうかは部下の実力と上司のマネジメント次第。能力以上のことを期待して、それに応えなかったからと憤るのは不毛です。
こういってしまっては酷いかもしれませんが、部下は部下です。その会社で何年も働いている貴方とは違い、入社して間もない部下には高いスキルも経験もありません。
過度な期待から部下との反りが合わなくなるなど悲しいだけ。今の相手のレベルをよく考え、部下がうまく成長できるようにするのも上司の仕事です。
そして大切なことがひとつ。部下は部下なりの努力や苦労があることを頭の片隅に入れておきましょう。よほど変な奴でないかぎり何らかの努力をしているものです。
レスポンスが早くなったとか、ビジネス本を読み始めたとか、傍目には何も変わっていないように見えて、実はちょっとした変化が現れていることだってあります。部下へのイライラが、そのちょっとした変化を潰さないように気をつけましょう。
感情論で部下を指導するのは危険
ついキツく怒鳴ってしまった、感情だけで相手を批判してしまった。これが何度もあるようなら上司としては失格です。
感情論だけで部下をどうにかしようと思っているなら、今すぐ改めましょう。なぜ怒られているのか、何が悪かったのかを相手に理解させ、成長させることが上司である貴方の仕事でもあるのです。
感情論で相手を威嚇するのは、指導するという役割を放り投げているだけ。手っ取り早く終わらせられる方法をとっているだけなのです。それでは誰もついてくるわけがありません。
部下から信用されていない人もいる
部下にも色々な人間がいるように、上司にも色々います。
部下が反発してくる、指導を無視するというとき、もしかすると上司である貴方の言動にも原因があるかもしれません。
よく聞かれる「上司が嫌いな理由」をいくつか纏めました。
- 自分は言うほどの高い能力があるわけでもないのに、態度ばかり大きい
- 部下への態度が好き嫌いで大きく変わる
- 責任を持たないで部下に押し付ける
- 仕事ができない、しない
「年齢だけが上のやつ」と侮られてはいけない
すべての上司が信頼されているわけでもありません。部下は上司の力量や人間性を、仕事ぶりや態度、営業成績などから見極めようとします。
まあ当たり前といえばそうでしょう。若い人にとっての1年2年は貴重な時間です。周りの同期より早く昇給したい、仕事ができるようになりたいとライバル心を燃やしている部下もいますよね。できることなら自分を成長させてくれるような“尊敬できる上司”のもとで働きたいと思っている人が沢山います。
年功序列が崩れかかっているいま、年齢だけが武器の上司は、部下といい関係を築けません。若い頃にがむしゃらに働いてこなかったり、仕事ができない(と部下が思うような)上司が尊敬されることはないでしょう。
ただ、上司である自分がどれほど凄いかを伝えるのは難しいものです。もし社内に協力してくれる人がいるなら、あなたがどれほど出来る人間か、他の人から部下に伝えてもらうのも手です。飲み会の席などを活用してみてもいいですね。
部下への愚痴は口が固くて信頼できる人にだけ伝えよう

問題のある部下本人に伝えるのならいいですが、誰かれ構わず「あいつはダメだ」と部下を批判するような人は、会社や他の部下から“優れた上司”として見られることなど絶対にありません。
「自分が知らないだけで、自分についても言われているのかな…」と、よけいな疑心暗鬼を生むだけです。
たとえそれまで良い関係を築けていた部下とでさえ、たった一言の“よけいな言葉”を言ってしまったばかりに信用を失うことだってあります。
どこの会社でも、相性の悪い人が一人や二人はいるものです。ただ、会社とは“仕事”をしに来ている人たちの集団であって、家族ではありません。苦手な相手にムリに優しくしたり親しくしたりする必要はありませんが、最低限のマナーとして相手を尊重することだけは忘れないようにしましょう。
それも仕事を円滑に進めるためには必要なことなのですから。
「仕事について相談できる人がいない」と悩む部下を見逃さない
案外、仕事について誰に相談していいのか分からない、相談できそうな人が周りにいないと悩む人は多いものです。もしも部下が悩んでいるようなら相談に乗ってみましょう。相手を知ることでイライラが減るかもしれません。
また、部下も自分の相談にのってくれる上司に対しては心を開きやすくなります。「自分を気にかけてくれる人がいる」と思えるとホッとするでしょう。
スキルや能力が今ひとつでも、これからゆっくり伸ばしていけばいいのです。そのためにはコミュニケーションをとり信頼関係を築いておかなければなりません。
飲みニケーションで自慢話が多くなる人は注意
「自分が若い頃はもっと厳しかった」「お前ら若手は全然ダメだ」などは嫌われ上司がよく言うセリフの定番です。
部下の本音を聞き出すつもりが、飲みニケーションの場で自慢話ばかりになってしまうような人は、よほど普段からコミュニケーションがとれていないかぎり“マウンティング上司”として嫌われます。
>>クソ上司との上手な付き合い方は?真面目な人ほど心が消耗するから気をつけて
どうしても嫌いな部下との接し方について
尊敬される上司でありたい、何かあったときは頼ってきて欲しいとは思うものの、すべての部下に平等にそう思える人はそうそういません。
部下のなかには“どうしても我慢できないほどムカつく部下”がいることもあります。
- 仕事はできないのに口ばかり一人前
- 能力が低いのに努力しようしない
- 周りのやる気のある人間にまで悪影響を及ぼす
- 気が利かない
- 何を考えているのか分からない…等々
信じられないほど仕事へのやる気が感じられない、努力していると口ばかりで何もやっていないなど、明らかにこちらのマネジメント云々以前の問題なら、その部下については期待しないのも手です。
部下にとっては期待されなくなることで重要な仕事が回ってこない、今後の評価に関わるなど問題もでてきますが、相手が成長しようとしないのなら仕方ありません。
ただし絶対に上司である貴方がやってはいけないことがあります。それは「部下を否定すること」。
集団のなかでは「好き嫌い」「道徳と不義」などの話題に触れると、必ずといっていいほどそれを否定したがる人間がでてきます。集団のなかで「つまらない」「あれはダメだ」とわざわざ否定しても、敵をつくるか不毛な争いを生むだけです。
チームを纏める立場の人間であれば、なおさら影響が大きくなります。組織としてのまとまりがなくなったり、派閥ができたりすることもあるでしょう。
どれほど嫌いな相手でも、上司である以上は冷静な対応をするほうが、結果として余計なストレスを減らすことになります。
そして、どうしても我慢ができなくなったときは、本当に信頼できる人間にだけ愚痴をこぼしましょう。
