先日、某雑誌に掲載された「ちょいワルジジの美術館ナンパ」が、なぜこれほど女性らから嫌われたのかを、SNSの反応などから考えてみました。炎上した記事を要約すると「若い女性をナンパするなら、美術館で一人で絵を鑑賞している若い女性に話しかけろ」というものです。
美術館等でナンパされた被害者は実はかなり多かった
美術館ナンパは、映画ならドラマチックですが現実世界でされると引いてしまうもの。しかも、集中して鑑賞したいからあえて一人で行ったのに、突然見知らぬ人からしつこく話しかけられると気分も萎えます。
実は、問題となった“美術館ナンパ”の被害にあった人はかなり多いのです。
美術館ナンパジジイ記事、なんでこんなに盛り上がっているかといえば(私のTLでは)美術館や名所旧跡で薀蓄語りだしなかなか離れない爺さんに困った経験を持つ女性が私を含め結構いて「余計な煽り記事書いてこれ以上その手の迷惑ジジイ増やしてくれるな」ってことだと思うんですよ…
— ぬえ (@yosinotennin) 2017年6月12日
こういうジジイが一番女性に嫌われることを男性の皆さんは知っておくといいのではないかしら。反面教師にしていただきたい。
— 波津彬子 (@AkikoHatsu) 2017年6月11日
「ちょいワルジジ」になるには美術館へ行き、牛肉の部位知れ https://t.co/HxquKI9IXA #niconews
私、過去に、美術館でナンパされたことが二回ある。「あらっ! 結構イケメンだし、趣味が合うのも確実ねっ!」なんて思うわけないだろ! 「美術館に来てまで女漁る変態に目をつけられた! やばっ! ついて来られたらどうしよう……」って思ったわ。実際、一人はついてきて、再び話しかけてきた。
— 森奈津子 (@MORI_Natsuko) 2017年6月12日
つーかさ、「ジジイによる美術館でのナンパ」は結構深刻な案件でさ。うちらもたびたび被害に遭うの。
— オオサカンオカーン (@osakan_beauty) 2017年6月11日
せっかく美術に浸ってんのにさ、楽しい気分ブチ壊しな訳。
これからヒマもてあました勘違い団塊世代が大量流入してくるから、被害拡大するわ。間違いなく。
一般的に考えれば、全く面識のない年齢の離れている異性から話しかけられて、しかもそれがナンパ目的だと分かったなら、「怖い」「面倒くさい」と思われるのはごくごく当たり前のことです。
ただ、これほど炎上したのには「美術館でナンパ」というだけでなく、他の理由があるように思えてなりません。
美術館ナンパが炎上した理由とは?
美術館ナンパがここまで炎上した理由は女性が「バカにされている」と感じたからでしょう。
当該記事ではあまりお金をかけずに行ける場所で、相手をしてくれる若い女性を手っ取り早く見つけたい、という下心がありありと描かれています。あまりの衝撃に「痴漢と同じレベルの迷惑行為」という厳しい意見も寄せられるほど。
その一部がこちらです。
心底気持ち悪い。美術鑑賞に行く女性のみならず美術関係者全て愚弄しているし。痴漢と同じレベルの迷惑行為だし。そんなのがかっこいいジジイですか。本当に情けない。「ちょいワルジジ」になるには美術館へ行き、牛肉の部位知れ https://t.co/srwTSKg7jN #niconews
— ツルカワ(PlumTree) (@cubanuco) 2017年6月11日
美術館にわざわざ1人で行ってるのに知らんジジイに横からドヤ顔で薀蓄垂れ流されたらキレる
— ライカ (@leica8br9) 2017年6月11日
"実は1人で美術館に訪れている女性は多い。しかも、美術館なら一人1500円程度だからコストもかからない"
— 櫛 海月 (@kusikurage) 2017年6月11日
最悪。美術館に一人で来てる女を何だと思ってるんだ。しかも知識を叩き込んでナンパのタネにしろとか害悪以外の何者でもない。ただ単に作品を観たくて観に来てる人達にも失礼だ。
ジジイがナンパしたけりゃ美術館へ行けのやつ、美術好きのマンスプレイニング話かと思ったら、一夜漬けの知識を披露すれば感心されるっておま…見積もりが甘いにも程があるだろ…。なんで女がそんなにバカだと思っていられるんだ。
— チキささ (@c_ssk) 2017年6月11日
いやマジで、一人で美術館に行っている若い女性はそれが好きで興味があって行っているんだから、尻を触りたいだけのジジイ邪魔すんな。
— 近藤ようこ (@suikyokitan) 2017年6月11日
もっと謙虚になって、同世代の仲間とすごすようにしてください。
— 一宮啓 (@kay1miya) 2017年6月11日
(引っ込んでいてくれ。数十歳年下の女をナンパしに美術館に来てウンチクとかやめてくれ。)
ちょいワルじゃない、迷惑老人だよ。 pic.twitter.com/CGjTvNziZU
美術館だろうと博物館だろうと書店だろうとアニメイトだろうと、大好きな作品を前にして自分の心の中に築き上げた世界観を満喫している最中に、見ず知らずの人間から生半可な知識で話しかけられたら年齢性別問わず殺意しか湧かないでしょ。
— たられば (@tarareba722) 2017年6月11日
「若いうちからいろいろなモノや遊びに触れてきて、造詣が深い」、「経済的に恵まれてきた“奇跡の世代”」なら1500円の美術館をナンパに使わず祇園で遊べ。
— 新稲法子 (@niina_noriko) 2017年6月11日
『熱心に鑑賞している女性がいたら、さりげなくガイドのように次々と知識を披露する。そんな「アートジジ」になりきれば、自然と会話が生まれます』迷惑ジジイ大量生産の予感…雑誌を真に受けるバカな50代60代ジジイって救いようねえな
— Simon_Sin (@Simon_Sin) 2017年6月11日
https://t.co/CWS6bdAcgV
マジで需要ないから、モテようとか女性とお近づきになろうとか思わないで枯れててくれ、という感想しかない。美術館で知らないジジイが話しかけてきていらない薀蓄とか迷惑だし、こっちは少ない給料からチケット代払ってるのになんで知らんジジイの相手してやんなきゃいけないの?
— 珈音(ケロケロリーナ) (@gohstofcain) 2017年6月11日
美術館ジジイの話の最も悲しいところ、ジジイの歳まで生きて自分のフィールドがないジジイが大勢いるってことだと思うんですよね。なんで爺になってまで付け焼刃の知識でナンパとかせなアカンのか。お前の半生は一体なんだったのかと。
— わかり手@メンヘラ.jp (@ganbare_zinrui) 2017年6月12日
ココに掲載しているのはほんの一部のみ。女性だけでなく、男性からも不快に感じたというコメントがありました。
本来なら人生経験も豊富で尊敬できるはずのオジサマ達が、軽蔑の対象としてみられてしまっているのです。これは非常に残念ですね。
美術館ナンパが成功した稀有な例もある
酷評されているナンパ術ですが、まれに成功する例もあります。
美術館でナンパする50、60代のおっさんが、『美術館に来てまでナンパするなんてキモい』『単なる不審者』と女性陣から散々批判されているけど、僕の知り合いのイケメンは海外の美術館で声をかけた女性と結婚したよ。要は、行為(美術館でナンパ)ではなく、主体(キモいおっさん)が問題なんだね。
— 説教♡おじさん (@partyhike) 2017年6月12日
かなりのレアケースかもしれませんが、完全に可能性がゼロというわけではないのかもしれません。ただし、見た目のハードルはかなり高めです。
チョイ悪ジジイ美術館の件、そういう下心とは無縁で話しかけてくる方もいるのでこういう記事は男性にとっても迷惑だよなあ。海外の旅先での話ですが植物園で声をかけて下さった老紳士と意気投合して翌日女王パレードの見どころポイント案内していただいたロンドン一人旅は今でもいい思い出です。
— 紺野キタ (@kitakonno) 2017年6月11日
旅先での巡り合いがいい思い出になるケースもあります。ナンパは論外ですが、こういう一期一会の触れ合いはいいものです。
相手が望んでいるか、それとも迷惑に感じているかで受け取られ方はまるで変わるもの。とくに美術館など“ゆっくりした時間を過ごせる場所”では気をつけなければなりません。
美術館薀蓄ジジイ記事は論外として「美術館にひとりで行って熱心に鑑賞するような女性は知識が深いはず」という決めつけもなんだかな。もっとカジュアルに行ってほしいんですよね、美術館には。これからの季節、涼しいし静かだし清潔だしきれいなもん見れるし普通に楽しいよ。
— こはろさん (@kohalogical84) 2017年6月11日
もしもナンパジジがやってきても、『この手の暇人にしつこく絡まれたら、受付けか案内係にいえば対応してくれます』とアドバイスする人もいます。
もちろん、美術館や博物館などで迷惑行為をする人はあくまでもごく一部。ほとんどの人は、純粋に鑑賞を楽しんでいるはずです。残念ながら、今回は悪い意味で注目されてしまいましたが、本来美術館は楽しい場所です。「もっとカジュアルに美術館へ行って欲しい。普通に楽しいよ」という声にもあるように、気軽に足を運んでみましょう。
