気づいたら格安SIMという言葉が出回っています。簡単に言うとスマートフォンを安く運用できるSIMカードの事ではありますが、仕組みや細かい事は知らない人が大半で適当に格安SIMへの切り替えを行うと大変な事になります。スマートフォンの通信量や通話料が安くなるなら使ってみたいという方の為に格安SIMのメリットとデメリットをご説明致します。
目次
格安SIMと通常のキャリアSIMとの違い

格安SIMとドコモやsoftbankのSIMとの大きな違いは通信設備を持っているか持っていないかの差です。格安SIMの業者(例:楽天モバイル)は独自の通信設備を所有していません。楽天モバイルはドコモの回線を借り入れて使用しているに過ぎないので、設備で必要な維持費や人件費が発生しない分利用料を安くする事が可能となっています。したがって格安SIM業者(MVNO)でも電波が悪いという事など一切なく大手キャリアと同様の電波状況で格安に使用ができるようになっています。
格安SIM業者は店舗が殆どない
大手キャリアは様々な地域で店舗を構えて様々なキャンペーンで客を呼び込んでいますが、格安SIM業者は基本的には店舗が存在せずネットだけの申込みとなります。家賃やテナント料を必要とせずに人件費も使わない事から格安が可能となっています。
格安SIM導入のメリット

スマホ通信料金が安い!
格安SIMの最大のウリが料金の安さです。ではどのくらい安くなるかを「楽天モバイル」「その他」VS「ドコモ」でまとめてみました。
楽天モバイル | BIGLOBE | OCNモバイル | ドコモ | |
---|---|---|---|---|
データ量制限 | 3.1GB/月 | 3.0GB/月 | 0.11GB/日 | 3.0GB/月 |
月額費用 | ¥1,728 | ¥1,728 | ¥1,728 | ¥4,300 |
備考 | 最大30GB | 最大12GB | 最大30GB | SPモード込 |
上記は一例ではありますがドコモの通常料金の半額以下と大きな差が付いています。OCNは特殊で1日当たりのデータ制限がありますが月間トータルの容量では最大となります。 動画やゲームによる頻繁な通信は難しいですが、家ではwifi利用などを用いてば十分に毎月の運用が可能となっています。
期間縛り(2年縛り)が短い!
問題にもなっている所謂2年縛りは大手キャリア全てで採用されており、半強制的に2年間使用しなければ行けない上に途中解約は高額な違約金を徴収されるという極悪なプランです。殆どの場合は自動更新となっておりキャリア毎に定めた月に解約の手続きを取らないと自動的に追加で2年間の更新がされます。
格安SIM(MVNO)では2年間縛りは存在せず殆どが1年(12ヶ月)以下の縛りとなっており、更に音声通話が付いていないプラン(データ通信プラン)では縛りナシでいつでも解約が可能になっています。
通話量も安い!
格安SIM(MVNO)は通話はおまけの要素が高くデータ通信がメインではありますが、通話に関しても格安になっており各SIM業者により様々なプランを導入しています。
楽天モバイル | BIGLOBE | OCNモバイル | ドコモ | |
---|---|---|---|---|
通常通話料金 | ¥21.6/30秒 | ¥21.6/30秒 | ¥21.6/30秒 | – |
かけ放題プラン | ¥896/月 | ¥918/月 | ¥918/月 | ¥2,700/24時間 |
備考 | 10分以内の通話無料 | 10分以内の通話無料 | 10分以内の通話無料 | 2年契約必須 |
格安SIMの場合は各社専用の通話アプリを用いる事により10分以内の通話が無料となり、通常の電話は¥21.6/30秒が必要となります。アプリを用いて10分以内に電話を切る様にすれば実質24時間無料となりますので非常にお得です。当然LINEでの通話やその他アプリでの通話もデータ通信量が許す限り可能です。

格安SIM導入のデメリット

通信速度が遅くなる場合がある
エリアや通信速度は基本的に大手キャリアに依存しますので問題はありませんが、大手キャリアから借りている「帯域」の同時接続数が増えると回線が重くなります。よくある年末に回線が集中し重くなる状態がありますが、あれに似たような感じでユーザーが集中する時間帯は回線が重くなる可能性があります。これは大手キャリアから借りている「帯域」に限りがある事から起こる事でありユーザーは対策のしようがありません。
キャリアメールが使えない
代表的な[@docomo.ne.jp][@softbank.ne.jp][@ezweb.ne.jp]などのキャリアに応じたメールアドレスは使用不可となります。現在ではLINEがメインなので大きな支障はないかとは思いますが、注意が必要です。
プランが少ない
通話プラン、データ通信プラン共に選択肢が限られています。大手にありがちな家族割や学割等が存在しませんので長期間使用しても優遇措置は特にありません。逆に大手では訳がわからないくらいプランが多過ぎるので逆にシンプルで良いかもしれません。
LINEのID検索ができない
LINEのID検索を行うには年齢認証が必要であり年齢認証は各大手キャリアのマイページにて行う必要性があります。格安SIMではマイページにログインする事が出来ませんので結果ID検索が不可能となります。「ふるふる」等は使用可能ですのでユーザーの追加は「ふるふる」や「QRコード登録】で行いましょう
初期設定(APN)は初心者には敷居が高い

格安SIMは購入後に郵送でSIMカードが送られてきますので自分で初期設定を行う必要があります。 iPhoneの場合は既存のキャリアのAPN情報を削除する必要がありますので失敗しないように気を付けて下さい。
iPhoneの格安SIM(例:楽天モバイル)設定
- iPhoneをwifiに接続
- Safari(ブラウザ)を起動
- 台紙に印刷されたAPN情報を確認
- APN情報をもとに構成プロファイルURLを確認
- 構成プロファイルをインストール
- 接続確認で4Gで繋がればOK
スマホに詳しい方であれば何も困ることがなく1分程で設定が完了するかと思いますが、 構成プロファイルの削除方法や追加方法(wifiへの接続方法)がわからない方は慎重によく調べてからの導入をおすすめします。
Androidの格安SIM(例:楽天モバイル)設定
- 台紙に印刷されたAPN情報を確認
- 設定→モバイルネットワーク→アクセスポイント名からAPNを追加
- 名前・APN・ユーザー名・パスワード・認証方法・接続方法を入力
- APN選択でrmobileを設定
- 接続確認で4Gで繋がればOK
お使いのAndroidで新規でAPNの追加と設定を行う必要があります。入力内容のミスさえなければ特に問題はありませんが、 au回線の場合はAPNプロトコルの変更が必要な場合があります。
代表的な格安SIM業者一覧

楽天モバイル | BIGLOBE | OCNモバイル | |
---|---|---|---|
月額費用 | ¥1,728 | ¥1,728 | ¥1,728 |
通常通話料金 | ¥21.6/30秒 | ¥21.6/30秒 | ¥21.6/30秒 |
データ量制限 | 3.1GB/月 | 3.0GB/月 | 0.11GB/日 |
かけ放題プラン | ¥896/月/10分以内無料 | ¥918/月/10分以内無料 | ¥918/月/10分以内無料 |
備考 | 最大30GB | 最大12GB | 最大30GB |
IIJmio | mineo | QTmobile | |
---|---|---|---|
月額費用 | ¥1,728 | ¥1,728 | ¥1,674 |
通常通話料金 | ¥21.6/30秒 | ¥21.6/30秒 | ¥21.6/30秒 |
データ量制限 | 3.0GB/月 | 3.0GB/月 | 3.0GB/月 |
かけ放題プラン | ¥896/月/10分以内無料 | ¥918/月/10分以内無料 | ¥918/月/10分以内無料 |
備考 | 最大12GB | 最大30GB | 最大30GB |
格安SIM業者は現在では多数存在しており各社サービスも様々ですが、実質極端に大きな差はなく料金や容量も誤差の範囲です。注目すべて点は「帯域」であり接続スピードをどれだけ維持できるかの勝負となります。 必然的に大手の「楽天」「BIGLOBE」「OCN」などの企業が強く、人気が集まりやすくなっています。
格安SIM導入に向いているのはこんな人!
- 通話より通信の方が多い
- 月々のスマホ料金が高い
- 自宅にwifi環境がある
- スマホの知識が多少ある
- 大手キャリアしか使いたくない
- 2年縛りがうざい人
- LINEを活用している人
