「GIZMODO(英語)」の調査によって、iPhoneXに搭載されている顔認証システムにいくつかの弱点があることが分かりました。
ここでは、日常生活でとくに影響が出そうなものをまとめています。
iPhoneXの弱点とは?
厚化粧や日焼け止めクリームを塗るのはNG?
FaceIDでは「赤外線」を利用して顔を確認します。
そのためUVカット効果のある日焼け止めや化粧品を使うと、赤外線が反射されてしまい顔認証ができないことがあるそうです。
米GIZMODOの記者による実験がこちら。

まずはファンデーションを塗る前の状態です。

こちらが塗布後。顔色が明るくなっているのが分かるでしょうか?

早速チャレンジしてみるものの、なんとiPhoneXが認証しません。顔の高さに持ち上げてカメラが認識しやすくしてもダメ。このあと数回トライしてやっと認証されました。
記者は、化粧品に含まれている二酸化チタンが、カメラから顔に投射される赤外線を反射してしまったことが原因だろうと推測しています。

FaceIDでは、画像のように3万以上のドットを顔に投射することで、顔マップを解析したり顔の赤外線イメージを取り込んだりしています。
それがUVカット効果のある化粧品によって邪魔されてしまったのでしょう。
化粧品のなかには、今回問題があった“二酸化チタン”ではなく“酸化亜鉛”が入っているものもありますが、問題なのは「赤外線を反射するかどうか」です。化粧品を変えても顔認証ができない可能性はあります。
また、UVカット機能がついたメガネを使っている人は、顔認証はできると思いますが、アニモジを使うときはメガネを外したほうがいいでしょう。
寝顔でロック解除されてしまう
次に寝顔でのアンロックに挑戦した記者。
事前情報では「目を開けてiPhoneXのカメラを見なければロック解除されない」はずでした。

ところがアシスタントがカメラを向けてみると…

なんと目を閉じているのにロック解除されてしまいました!ん~…これはかなり問題かもしれません。
ちなみに、寝顔での認証を許可するかどうかはiPhoneの“設定”から選べるのですが、このときはOFFにしているでしょう。にもかかわらず突破されてしまったのは、ちょっと驚きです。
記者によると、自身の目が腫れぼったいこと、笑うと目が閉じて見えることなどが原因かもしれないとのこと。
目の形や大きさにもよりますが、FaceIDは万人が使いやすい機能とは言えなさそうですね。
発売後のレビューを待つのも良し!
iPhoneXはAppleが初めて顔認証を搭載した機種です。カッコイイデザイン、軽量なのに高性能、優れた操作感など挙げればキリがないほど良い端末だと思います。
ただ、今回の結果からみても、顔認証については今ひとつ不安が消えません。FaceIDでの実例が少なすぎて、どんなデメリットがあるのかハッキリしない状態です。
Appleの共同創設者であるスティーブ・ウォズニアック氏ですら「自分は発売直後に買わない」と話しています。これはFaceIDの性能を心配しているためとのこと。
もし買うのなら、発売直後ではなく、ある程度の情報やレビューが出てきてからが安心かもしれませんね。
今の段階では、メモリやCPUに差がないiPhone8Plusを選ぶほうが安心感はあるでしょう。
